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eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜
タクシーに揺られてマンションに着いた。志村は車中で散々お喋りしていたのが途端に無口になり、早々に自分の寝室に籠ってしまった。
一分もしない内に大きな鼾か聞こえてきて、真理と由清は顔を見合わせる。
「俺らも、とっとと寝るか……」
真理は、リビングのソファに美名を降ろすと、その頬をそっと撫でた。
由清は自分のバッグからパジャマを出すと、真理をじっと見た。
「俺……先にシャワー借りる」
「お、おお!借りたら返せよ?」
美名の寝顔に見とれていた真理は、我に返ると、取って付けた様なおかしな返答をする。
「……手を出したらダメだよ?真理」
由清は静かに言うと、バスルームへ入って行った。