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eyes to me~ 私を見て
第8章 溺愛の獣
 その胸元に、綾波がキスをすると、彼女は一瞬身体を震わせる。
 彼女は、平静な振りをして、腕で綾波を押し戻した。

「もう……結構酔ってるよ?横になる?」
「積極的じゃないか……」
「違います!」

 しかし、本当に珍しく酔っぱらっているようだ。イラついて水みたいにウィスキーを煽ったせいか。
 いつの間にか美名に全体重を掛けていたらしい。
 ふたりして、リビングのソファに沈み込んでいた。
 美名の小さな手が、胸を叩いている。
 怒った様な声が綾波の耳を擽る。




 ーー尖ったキツい声も、いい……
 あいつらに触られているお前を見て確信した。
 誰にも触らせたくない……――

 胸を叩き続ける美名だったが、綾波の寝息が聞こえて来ると、その手を止めて、広い背中をそっと撫でた。

 夢の中、美名が大きなステージでライトを浴びて歌っていた。
 喝采を浴びて、男からも女からも熱い視線を集めて光り輝く美名。

 ――けれど、美名は俺の物だ。
 俺だけの歌姫――

 



 






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