この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜
(――これ以上は……ダメだ……)
崩れ落ちそうな理性を必死に保ちながら、真理は深呼吸して気を逃そうとする。だが、腕の中で無防備に横たわる美名の姿を目にすると、全ての事情や状況など放り出して、この手で奪いたくなってしまう。
「美名……俺……最低だよな」
その長い髪を一筋指に取りそっと口付けた時、美名の瞳がさ迷い一周し、ようやく焦点が合う。
その目に真理の姿を認めると、一瞬驚きの表情を浮かべ、柔らかく笑った。
「真理君……今……何時?」
その無邪気な様子に、真理は一瞬でもかつての恋人に欲情した己の邪を恥じながら、時計を見た。
「……もうすぐで11時だな」