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eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜
「――っ?」
微睡みの中に居た美名は、目を見開いて身体を素早く起こした。
時計を確認すると、何かの呪文の様に呟く。
「……ちゃ……なくちゃ……かなくちゃ……」
真理が肩を掴むと、美名は振り返った。
「剛さんに……会いに……っ……かなくちゃ……」
「美名……」
美名の目に涙が溢れる。
「一目……でも……剛さん……に……」
「……明日大事な生収録だぜ?終わってから……会いに」
美名は激しくかぶりを振った。
「明日じゃダメっ!今……今会いたいの……っ」
「美名っ」
落ち着かせようと抱きしめて背中を叩くが、美名はしゃくりあげて泣き止みそうになかった。