この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜
ガラスの小さな引き戸の向こうで、年配の守衛が船を漕いでいる。
真理が軽く引き戸を叩くと、守衛が欠伸をしながら顔を出す。
「……時間外だよ?許可は?」
守衛は面倒そうに言う。
真理の後ろから美名がペコリと頭を下げて
「おじさん、こんばんは」
と笑いかけると、コロッと態度を変えた。
満面の笑みで
「美名ちゃん~今日は遅かったね~
本当はこの時間はアレなんだけど……特別だよ?」
と言った。
美名は愛想よく笑いながら手を振り、唖然とする真理を引っ張りロビーへと歩いて行く。