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eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜
階の数字が変わっていくのをじっと見る美名を、真理は複雑な心境で見つめた。
綾波がもし、このまま目覚めなかったら……
美名は歌手としても立ち直れなくなるのでは無いだろうか。
(いや……そんな事にならない様に支えるんだ……
俺が綾波みたいになれないからって、美名を放って置く理由にはならない)
チンと鳴り扉が開いた時、真理は密かに決心をしていた。
(もしもの時は……何がなんでも俺が守る)
「真理くん?珍しく真面目な顔してる……どうしたの?」
美名が本気で心配そうにしている。
「し、失礼な事を言うなよっ!俺はもともと真面目な男だ」
「ふ――ん?」
「……」
反論をあっさりスルーされて、真理は傷ついた気持ちのまま美名の後ろをトボトボ歩く。