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eyes to me~ 私を見て
第45章 波乱のミュージックスタイル

通りに出て少し歩くと、二人が目指す病院が見える。
綾波と大室が入院している病院だ。
正面玄関は、相変わらず送迎車でごった返していた。
人や車を避けながら二人はガードマンに挨拶して中へ入っていく。
「まずは、大室さんの所へ行きましょうか」
「えっ」
ビクついて腰が引ける堺を引き摺り、大室の居るB病棟のエレベーターに乗り込む。
「……あの子達、どうなるのかしらね」
「silent wolf……ですか?」
6階で降りて、大室の居る特別室へ向かって歩きながら話す。
「確かに……やった事は卑劣だけど、あの才能を埋もれさせてしまうのは日本の音楽界の損失だわ」
「……かも知れませんね」
志村の病室の扉をノックして、ペコはゆっくりと開けた。

