この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
曖昧なままに
第10章 密かに去って
「やんっ! いっぱい……出てる」
白濁を舌や胸元で受け止めて、俺の射精を奈央は歓迎するように微笑む。
その姿を愛美と思わず重ねそうになり、俺はそのイメージを即座に打ち消す。
「ね、私の胸……どう?」
果てたばかりの陰茎をねっとりと口で綺麗にし、奈央はそんなわかりきったことを訊く。
「最高だよ。だから――お礼をしなくちゃな」
俺はそう言って、湯の中の奈央の股間に手を伸ばした。
「あ――!」
ピクッとした敏感な反応。
触れた右手の指先には、ぬるぬるとした潤滑液の感触。
「もう、急に触らないでよ」
「悪い。でも、奈央の――濡れてる」
「そ、それは……」
「自分でも、感じてたのか?」
「乳首で擦ったりした時……ちょっと」
「じゃあ、攻守交代だ」
「えっ?」
俺はザブンとバスタブに沈むと、今度は逆に奈央の身体を湯に浮かべた。そして淵に背を凭れさせ脚を大きく広げると、奈央の股間を貪ってゆく。
舌と指を用いて、もうしっとりとしている秘所を責めると。
「ああ、うっん……もう……そんなに」
奈央は顔を赤らめて、早くも快感に酔いしれようとしてくれていた。
「……」
不満など、ある筈もない。奈央のその顔を眺めつつ、俺はそう実感する。
※ ※
西河奈央――彼女は俺などには勿体ない女性だ。そこに生じた俺の引け目すら、奈央は一笑のままに消し去ってくれている。彼女が俺を求めてくれるのなら、全力を尽くして応えるべき。
否、そんな風に肩肘を張るのも違うのだろう。あくまで自然体であり、それで側に居ることができるからこそ俺は……。
この先、奈央と再婚するのかなんて、まだわかりはしない。しかし彼女と出会い剰え付き合えたことは、それまでの自分を思えば至上の幸福に違いはなかろう。
「……」
日曜日の午後のショッピングモール。珍しく買い物に出かけて来た俺は、フードコートにてコーヒーブレイク。そうしてボーっとした時、ふとそんなことを考えていた。
最初からわかっている。俺が気にかけているのは、奈央のことではない。つい頭を過るのは、愛美のことなのだ。
しかし、愛美は既に去り。俺も奈央との付き合いを決め、もう断ち切ったはず。だのに未だ、それを気にする。何度も繰り返すように、奈央に微塵の不満も感じてはいない。
白濁を舌や胸元で受け止めて、俺の射精を奈央は歓迎するように微笑む。
その姿を愛美と思わず重ねそうになり、俺はそのイメージを即座に打ち消す。
「ね、私の胸……どう?」
果てたばかりの陰茎をねっとりと口で綺麗にし、奈央はそんなわかりきったことを訊く。
「最高だよ。だから――お礼をしなくちゃな」
俺はそう言って、湯の中の奈央の股間に手を伸ばした。
「あ――!」
ピクッとした敏感な反応。
触れた右手の指先には、ぬるぬるとした潤滑液の感触。
「もう、急に触らないでよ」
「悪い。でも、奈央の――濡れてる」
「そ、それは……」
「自分でも、感じてたのか?」
「乳首で擦ったりした時……ちょっと」
「じゃあ、攻守交代だ」
「えっ?」
俺はザブンとバスタブに沈むと、今度は逆に奈央の身体を湯に浮かべた。そして淵に背を凭れさせ脚を大きく広げると、奈央の股間を貪ってゆく。
舌と指を用いて、もうしっとりとしている秘所を責めると。
「ああ、うっん……もう……そんなに」
奈央は顔を赤らめて、早くも快感に酔いしれようとしてくれていた。
「……」
不満など、ある筈もない。奈央のその顔を眺めつつ、俺はそう実感する。
※ ※
西河奈央――彼女は俺などには勿体ない女性だ。そこに生じた俺の引け目すら、奈央は一笑のままに消し去ってくれている。彼女が俺を求めてくれるのなら、全力を尽くして応えるべき。
否、そんな風に肩肘を張るのも違うのだろう。あくまで自然体であり、それで側に居ることができるからこそ俺は……。
この先、奈央と再婚するのかなんて、まだわかりはしない。しかし彼女と出会い剰え付き合えたことは、それまでの自分を思えば至上の幸福に違いはなかろう。
「……」
日曜日の午後のショッピングモール。珍しく買い物に出かけて来た俺は、フードコートにてコーヒーブレイク。そうしてボーっとした時、ふとそんなことを考えていた。
最初からわかっている。俺が気にかけているのは、奈央のことではない。つい頭を過るのは、愛美のことなのだ。
しかし、愛美は既に去り。俺も奈央との付き合いを決め、もう断ち切ったはず。だのに未だ、それを気にする。何度も繰り返すように、奈央に微塵の不満も感じてはいない。