この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
曖昧なままに
第13章 忌むべき過去(愛美の独白)
「うん――できるよ」

 そう答えてコクリと頷く私。どれだけの思慮があったかと言えば、そんなものは皆無だ。心に宿した、得体の知れない想い。そこに届こうとして、必死に背伸びしてみせる。

 それはやはり子供である証拠だけど――それ故、後戻りすることを考えてもいなかった。


 廊下でしゃがむ私を前にして、彼はズボンからソレを取り出す。

 初めて目の当たりにする、男の人の突起――。

 天を衝くように反り返っていて、とても禍々しい。

 少し怖くて――それでいて、何処か滑稽にも思えた。

 目の前のソレを凝視して―― 

「私――どうすれば?」

 私が訊ねると、彼は黙ってか細い手を取る。

 最初に選ばれたのは、私の右手だった。

 直に触れたソレを、私は思いの外――熱いと感じる。

 私の手との体温の差異を覚えて、彼もまたピクリとした反応を見せた。

 そして、私の手首を掴むと、それを前後に動かすように促す。

「こうして――動かせばいいの?」

 好奇心を刺激されながら、私は掴んでいる右手を動かし始める。

 私の身体には無い、その硬さの感触を確かめ――。

 行き着く先も、わからないままに――。

 私は一心にソレを見つめ――そして、一心に擦り続けた。

 やがて――

「――!」

 極限まで張り詰めていたものが、更に強張る様な感覚――。

 それに驚き、その表情を窺った――私。

 何かに耐えるようにギュッと瞳を閉じる――彼。

 苦しいの……? ううん、そうじゃないんだね。

 私の本能が何かを感じ取ると――

 右手の動きを――できる限り早く。

 すると――

「あっ――!?」

 先端から勢い良く放たれた――白い液粒。

 それが私の頬を掠めて、肩口からべとりと服へと付着。

 更に吹き出し続けると、右手にねっとりと絡みついた。

「……」

 汚れた頬と右手に伝わる、不思議な温もり。

 それが行為の終点なのだと察しながら、私は彼の顔をそっと仰いでいた。


「よくできたな――愛美」

 そう私を褒め、そして優しく微笑んだ顔――。

 結局――彼は私に、母と同じことはしてくれなかった。けれど、それが仕方ないことだとは、私もわかっている。

 だから、今はこれくらいで――いいの。

「うん……」

 私は奇妙な充足感を覚え、彼に微笑みを返していた。
/177ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ