この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
曖昧なままに
第13章 忌むべき過去(愛美の独白)

 うん……。

 私は言葉でなく、目でその意志を伝える――。

 怖くなかったと言えば、大嘘つきだ。彼のそれまでの行為は総じて、優しいものでもないのだろう。荒々しく無遠慮で、壊されてしまいそうで……。

 でも……だけど……きっと……それでも……いい。

 たぶん――それが男なのだと、彼は示してくれている。

 ならば、私は――――女になってみせるだけ。


 その先のことは、嵐に巻き込まれたような感覚として、私の中に刻まれていた。

 ん、くっ……いっ、たぁ……んんっ、あ……あっ…………はぁうっ!

 ごりごりっ、と掻き分け、押し分けて。私の中を貫き刺す――熱さと痛み。その進撃が止まり、受け止めたと実感するも束の間のこと。一呼吸於いた後に始まる、打ち寄せる波のような猛りが――。

 その突き上げの度に、私の小さな身体はずんずんと押され。それでも私を追って逃さず、更に押し込み続ける。その時に畳に擦れた背中のヒリヒリとした痛みが、少し余計で煩わしかった。

 するとやがて――

 ううっ……くっ……………………あ!

 それは耐えるだけの時の中に、訪れていた奇妙な感覚。私の奥底に生じた微かな熱が、彼の熱さに応えたようで。快感などと呼べるものではなくても、彼と繋がったとの実感に――私は初めて喜んでいた。

 圧倒的な痛みの中での、微かな感触に心を寄せると――。

 彼もまた一層に、激しく押し寄せていた――。

 ついに……終わる。私が、そう思ったまさに――その瞬間だった。



 あ!? だめ――よして――――――――――――――――――おかあさん!



 彼の背後――。

 そこに立つ――母。

 どんよりと暗い――眼差し。

 振り上げた――両手。

 そこに携えた――花瓶。



「いやあああっ――!」



 ――――ガツンッ!



 あ……あ……!?



 その衝撃に――光を失う彼の瞳。その刹那――



 ビクンッ!



 私の体内で――彼は射精していた。



 ――ドサッ。



 そして、力尽きるよう――彼の身体が、私の上に折り重なると――



 シバ……ザキ……さん……?



 それを最期に――――事切れた。
/177ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ