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深海のパンツァー
第5章 *4*レジーナ
その本は傷んでいた。
勇者が囚われの姫を魔王の城から救出する物語―-
逃げおおせたはずの森の中で勇者は姫に先に逃げるよう言い聞かし、満身創痍の身体で追っ手と戦う決意をする。
姫は逃げなかった。
何のために死を賭して勇者は戦ったのだろう……
最終ページの文字は滲んで読めず、二人のその後がどうなったかがわからない。
「あなたが……戦地に行くことを想像しただけで……私は死にそう……」
レジーナの瞳から涙が溢れる。
「僕は死なない。必ず君のもとへ戻ってくる」
もう……童話じゃない……
「待っていてくれないか……」
私の勇者は絶対に帰ってくる……
「愛している、レジーナ……。
君を想う気持ちを表す言葉がみつからない。でも、君と永遠に一緒になりたいんだ。戦争のないロージアの……いいや……平和にしたガイアの大地で……」
レジーナは彼の胸もとに顔を埋めた。
彼の手に背を撫でられる。
「……はい…………っ」
そう返事をしてレジーナは恐るおそる顔をあげる。
二人は唇を重ねた。
永遠の愛を誓い合いながら
勇者が囚われの姫を魔王の城から救出する物語―-
逃げおおせたはずの森の中で勇者は姫に先に逃げるよう言い聞かし、満身創痍の身体で追っ手と戦う決意をする。
姫は逃げなかった。
何のために死を賭して勇者は戦ったのだろう……
最終ページの文字は滲んで読めず、二人のその後がどうなったかがわからない。
「あなたが……戦地に行くことを想像しただけで……私は死にそう……」
レジーナの瞳から涙が溢れる。
「僕は死なない。必ず君のもとへ戻ってくる」
もう……童話じゃない……
「待っていてくれないか……」
私の勇者は絶対に帰ってくる……
「愛している、レジーナ……。
君を想う気持ちを表す言葉がみつからない。でも、君と永遠に一緒になりたいんだ。戦争のないロージアの……いいや……平和にしたガイアの大地で……」
レジーナは彼の胸もとに顔を埋めた。
彼の手に背を撫でられる。
「……はい…………っ」
そう返事をしてレジーナは恐るおそる顔をあげる。
二人は唇を重ねた。
永遠の愛を誓い合いながら