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深海のパンツァー
第16章 14-判決
「……最後です。コンラッド=ゲイツ中佐の治療を行ったのは何故です?」

「これは滑稽な……ケガをした者に手を差し延べない人間がいるのですか?」

「……わかりました。我がロージアの英雄の危機を救って頂いたことを感謝します」

審問長の木槌が法廷内に響きわたった。

「休廷後に判決を下す」

紫苑誠は一礼して踵を返す。
その瞬間、本当に瞬間的に両雄の視線があった。

死力を尽くして戦った二人に言葉はいらない。
逆の立場であったらレオンハルトは天津帝国に行くだろう。

死を覚悟してでも―-




---*---

ゲイツの用意する軍用車でレオンハルトは屋敷に送迎された。

「ここでいい」

屋敷まで僅かな距離がある。
レオンハルトの希望でゲイツは運転手に車を止めさせる。

「……ありがとう」

「次の命令があるまで自宅待機だ……法務局を経て命令書を届ける。
……レオンハルト大佐」

「わかった」

車から降りたレオンハルトは右手にはカバンを、左手に兜を持った。
そして屋敷に向かって歩く。



そして遠くから女性のシルエットを確認する。
小さな子供が大きな声を張り上げて走ってくる。
それを追うようにもっと小さな子供もぎこちなく向かってくる。

女性は動かない。

女性のもとへ進む。
やがて女性の表情が見える。

レジーナの瞳は溢れそうなほど潤っている。
レオンハルトは強い女性だと思った。

ふと、父のメモを思い出す。
父は女性が泣くのを堪えた姿を記したのだろう。
母も強い女性だ。

素直に泣いてほしい―-
それをリヴァイアサンに願ったのだろうか?

立ち止まる。
子供たちが彼にぶつかるように抱きしめてきた。

カバンと兜を置く。
そして二人の子供をそれぞれ片腕で抱き上げる。

そして決心したように息を吸い込み、妻のもとへ力強く一歩を踏み出した。



****END****
2015/07/17/18:11



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