この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Dolls…
第6章 甘い嫉妬
すると━━━━━
「誰かぁ…っ」
長い廊下を走りやっと見つけた玄関ホール。
先程、盗み聞きしてしまったあの踊り場まで何とか辿り着けたのだ。
外へと続く扉を見つけた瞬間、心の底から安堵した。
外へと続く扉だ…っ!
私は助かるっ!
あの扉を出れば…っ!
その扉へと走ろうとすると、その玄関ホールに人影が見えた。
誰かいる…?
それは、玄関ホールの真ん中に佇む帽子を被った1人の中年男性。
踊り場に佇む私を見上げるようにして、その男性と目が合ってしまった、が
「あ、あの…、勝手にすみません!椎葉先生は?」
私の姿を見た瞬間、帽子を取り私に挨拶をしてきたこの人。
この人は、誰?
椎葉先生とか言ってるけど…。
でも、誰でもいいっ!助けてっ!
階段を駆け下りその男性の元へと急いだ。
「助けて…、助けて下さいっ!!」
「は?え?」
駆け下りて来る私の姿を見て男性はぽかんとした顔をしている。
訳がわからないという顔をしてるけど、今はそれどころじゃない。
男性にすがり付くように必死に助けを求めた。
「訳は後で話しますっ!とにかく、助けて…っ」
「お、落ち着いて下さいっ!何があったんですか?」
「お願…、助けてっ!」
壊れた人形のように目の前の男性に助けを求めた。
今、椎葉さんに見つかったら連れ戻されてしまう。
早くこの人に連れ出して貰わないと…。
私を落ち着かせるように、男性は私の肩を掴み落ち着かせようとしてるが
「早く…、早くここから…っ」
椎葉先生と言ってたこの人は椎葉さんの弟子か何かかな?
でも、いくら弟子でも女性が監禁されてるとなると…。