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Dolls…
第12章 ゆるやかな崩壊
「…お前、俺とあの幼馴染みのどっちを取るんだ?」
耳元で囁く椎葉さんの声。
だけど…
"どっちを取る"?って、何それ?
椎葉さんと、シュウちゃん…?
どっちを取るも何もない…。
「は、んっ」
「あの幼馴染み、俺と同じ目をしてる。俺と同じ"雄"の目」
雄の目…?
何よ、それ…。
シュウちゃんの目は椎葉さんと違う、優しくて透き通った目をしてる。
椎葉さんとは違う…っ。
「だけど、お前は誰にも渡さない。あの幼馴染みにもだ」
ダメ…だ。
椎葉さんの声が遠退いて行く。
窒息しそうになってるせいで鼓膜までやられたか?
おまけに痛さのせいで思考まで可笑しくなって━━━━━
「あっ、あっ、ん…っ」
「お前は俺の、大事な━━━━━」
ドアの向こうにいるシュウちゃんの事を考えながら、私の体は椎葉さんがくれる刺激に反応している。
頭と体が一致しないまま、私の意識は今にも破裂してブラックアウトしそうだった。
椎葉さんの欲を全身で受け止めながら、手離しそうな意識を必死に繋ぎ止めた。
椎葉さんの声をぼんやり聞きながら。
「お前は、俺の大事な…、人形なんだから…」