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Dolls…
第14章 幼馴染み
「は…?な、何言ってんだよ…っ?あんな男の事なら心配するなっ!俺がちゃんと守ってやるから!な?だ、だから…っ」

「…………………。」

「脅されてるんだろ…?何か、弱味でも握られてんのか?だ、大丈夫だって…、そんなもん警察が何とかしてくれるし…っ」

「…………………。」

声を震わせながら私を説得しようとしてくれている。

シュウちゃんの声は"信じられない"と言わんばかりに震え、か弱くしどろもどろになっていた。


それもそのはず。

私だって、どうしてこんな事を言ってしまったのかわからないのだから。

自分で自分がわからない状態なのだ。



「な?俺と帰ろう。椿…」

「……ご、ごめん、なさい…」



シュウちゃんの誘いを、震える声で断った。

せっかく助けに来てくれたシュウちゃんの行為を私は踏みにじろうとしているのだ。

こんな山奥まで私を探しに来てくれたシュウちゃんの事を…。



「う、嘘だろ…?椿…。お前の両親だって心配してるんだぞ!?こんなとこ、早く抜け出して…」

「━━━━━。」

シュウちゃんの説得に黙って首を左右に振るしか出来なかった。

シュウちゃんの声を聞いてるだけで申し訳ない気持ちでいっぱいになって、シュウちゃんの問いかけに答えることすら出来なくなってしまった。

それに、今シュウちゃんの顔を見たら堪えていた涙が一気に溢れてしまう。

シュウちゃんの顔を見ずに俯いたまま首を左右に振り拒否の意思を示した。


「わ、私は…、行けない…。シュウちゃんだけでもここから逃げて…っ」

「お、お前…」



私を逃がそうとした事、椎葉さんにバレたら何をされるかわからない。

椎葉さんにバレる前に、せめてシュウちゃんだけは無事にこの山を降りて欲しい。


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