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Dolls…
第15章 その愛、凶器につき
椎葉さんは、シュウちゃんを殺す気なんかなかった。
ただ、脅すだけの為のもの?
「撃つ気は…なかったんですか…?」
「お前の大事な幼馴染みなんだろ?」
椎葉さんの声は心なしか震えている。
その椎葉さんの声が、いやに寂しく聞こえた。
「殺してやろうと思ったさ。けど、お前の大事な幼馴染みに傷なんか付けられねぇだろ?…情けねぇ」
「…椎葉さん」
椎葉さんは、私の大事なものを傷つけないでいてくれた。
本当なら殺してしまいたいくらいの憎しみを我慢しながら抑えながらシュウちゃんを許してくれた。
私の事も許して逃がそうとしてくれた。
「あの男に、お前は俺のモノだと見せつけて逃げ出すのを待ってたのに、裏目に出たか」
「だから、あんな事…」
私の中に遠隔ローターを仕込んで、それをシュウちゃんに目撃させて、呆れたシュウちゃんが逃げ出すように仕向けたんだ。
椎葉さんに無断で逃げ出そうとした私への罰も含めて。
やり方は卑怯だけど…。
「俺の元へ戻って来たって事は覚悟は出来てるんだろうな?」
それまで俯き私の方を見ようとしなかった椎葉さんだが、ゆっくり私の方へと視線を向けた。
その目付きは、私の背筋が凍ってしまうぐらいに冷たく、残酷な獣のような目に見えた。
「あ…っ」
私は私の意思でここに残った。
私に酷いことばかりを繰り返すこの悪魔の掌に戻って来てしまった。
それが何を意味しているのか…。
閉めたドアに追い詰めるように椎葉さんがゆっくりゆっくりこちらに近づいてくる。
「や…」
「何が"嫌"だ?お前の意思でここに残ったんだろ?だったら、ここにいる以上、お前に拒否権なんかない」
後ろは壁、目の前には椎葉さん。
逃げ場がなくなってしまう。
ただ、脅すだけの為のもの?
「撃つ気は…なかったんですか…?」
「お前の大事な幼馴染みなんだろ?」
椎葉さんの声は心なしか震えている。
その椎葉さんの声が、いやに寂しく聞こえた。
「殺してやろうと思ったさ。けど、お前の大事な幼馴染みに傷なんか付けられねぇだろ?…情けねぇ」
「…椎葉さん」
椎葉さんは、私の大事なものを傷つけないでいてくれた。
本当なら殺してしまいたいくらいの憎しみを我慢しながら抑えながらシュウちゃんを許してくれた。
私の事も許して逃がそうとしてくれた。
「あの男に、お前は俺のモノだと見せつけて逃げ出すのを待ってたのに、裏目に出たか」
「だから、あんな事…」
私の中に遠隔ローターを仕込んで、それをシュウちゃんに目撃させて、呆れたシュウちゃんが逃げ出すように仕向けたんだ。
椎葉さんに無断で逃げ出そうとした私への罰も含めて。
やり方は卑怯だけど…。
「俺の元へ戻って来たって事は覚悟は出来てるんだろうな?」
それまで俯き私の方を見ようとしなかった椎葉さんだが、ゆっくり私の方へと視線を向けた。
その目付きは、私の背筋が凍ってしまうぐらいに冷たく、残酷な獣のような目に見えた。
「あ…っ」
私は私の意思でここに残った。
私に酷いことばかりを繰り返すこの悪魔の掌に戻って来てしまった。
それが何を意味しているのか…。
閉めたドアに追い詰めるように椎葉さんがゆっくりゆっくりこちらに近づいてくる。
「や…」
「何が"嫌"だ?お前の意思でここに残ったんだろ?だったら、ここにいる以上、お前に拒否権なんかない」
後ろは壁、目の前には椎葉さん。
逃げ場がなくなってしまう。