この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Dolls…
第16章 誘惑の果て
困った顔を見せた椎葉さん。
だけど、やはりそこは1人の人形師だ。
「…はぁ。南側の角部屋」
南側の角部屋。
その言葉だけでどの部屋かすぐにわかった。
それぐらいに私はこの屋敷の事を少しわかりだしていた。
その部屋に安藤さんを案内しろと言うことだ。
それが安藤さんの泊まる部屋。
「わかりました。安藤さん、こちらに…」
「了解。じゃあな、秋人。仕事頑張れよ~」
「てめ…、マジで殺す…」
笑顔で椎葉さんに手を振る安藤さんに椎葉さんは乱暴な暴言を吐いて見送った。
さっきから安藤さんに暴言ばっかり吐いてるけど
椎葉さん、相当この安藤さんって人が苦手みたいだ。
椎葉さんに幼馴染みがいたことに驚いた。
そりゃ椎葉さんも人間だし小さい頃は学校にも通ってたはず。
そこで気の合う友人が出来たとしても不思議じゃない。
だけど、あんな偏屈で変わり者の椎葉さんに屋敷を訪ねて来るような友人がいたことの方が驚きなのだ。
それも、椎葉さんとは正反対のこんな人なんて…。
椎葉さんから貰った服の紙袋を片手に持って、椎葉さんと別れ、長い廊下を先導するように歩いた。
椎葉さんの姿は段々見えなくなって行く。
まるで裏から手を回したかのようなこんなやり方はフェアじゃないけど
こうでもしないと椎葉さんの事を知る事が出来ない。
安藤さんを使って探った事がバレたら怒られてしまうかも知れない。
だけど、そんなずるいことをしてでも、私は
知りたかった。
「いや~、マジでありがとう椿ちゃん!椿ちゃんがいなかったら今頃追い返されてたよっ!」
私の後ろで明るく笑う安藤さん。
私の下心や企みなんて知らぬぐらい楽しそうに。
…何だか罪悪感だ。
だけど、やはりそこは1人の人形師だ。
「…はぁ。南側の角部屋」
南側の角部屋。
その言葉だけでどの部屋かすぐにわかった。
それぐらいに私はこの屋敷の事を少しわかりだしていた。
その部屋に安藤さんを案内しろと言うことだ。
それが安藤さんの泊まる部屋。
「わかりました。安藤さん、こちらに…」
「了解。じゃあな、秋人。仕事頑張れよ~」
「てめ…、マジで殺す…」
笑顔で椎葉さんに手を振る安藤さんに椎葉さんは乱暴な暴言を吐いて見送った。
さっきから安藤さんに暴言ばっかり吐いてるけど
椎葉さん、相当この安藤さんって人が苦手みたいだ。
椎葉さんに幼馴染みがいたことに驚いた。
そりゃ椎葉さんも人間だし小さい頃は学校にも通ってたはず。
そこで気の合う友人が出来たとしても不思議じゃない。
だけど、あんな偏屈で変わり者の椎葉さんに屋敷を訪ねて来るような友人がいたことの方が驚きなのだ。
それも、椎葉さんとは正反対のこんな人なんて…。
椎葉さんから貰った服の紙袋を片手に持って、椎葉さんと別れ、長い廊下を先導するように歩いた。
椎葉さんの姿は段々見えなくなって行く。
まるで裏から手を回したかのようなこんなやり方はフェアじゃないけど
こうでもしないと椎葉さんの事を知る事が出来ない。
安藤さんを使って探った事がバレたら怒られてしまうかも知れない。
だけど、そんなずるいことをしてでも、私は
知りたかった。
「いや~、マジでありがとう椿ちゃん!椿ちゃんがいなかったら今頃追い返されてたよっ!」
私の後ろで明るく笑う安藤さん。
私の下心や企みなんて知らぬぐらい楽しそうに。
…何だか罪悪感だ。