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Dolls…
第19章 泣きながら、あなたを…
「あっ、いった…っ」
スタジオに備え付けてある簡易シャワーで体の汚れを流した。
汗や涙、椎葉さんに浴びせられ顔中に付着した白濁液も。
しかし、頭から一気に熱いシャワーを浴びた瞬間、背中に激痛が走った。
恐らくコンクリートの床で擦れてしまったのだろう、ヒリヒリした痛みを背中全体に感じた。
鏡で自分の背中は見れないのでどうなってるのかはわからないけど…。
シャワーを浴び、シャワールームの備え付けのバスローブに着替え地下を後にした。
真っ白なタオル生地のバスローブは体や髪の毛の水分をぐんぐん吸収してくれる。
しかし、擦り剥いた上に熱いシャワーを浴びたせいで背中の傷が熱を持ってしまいバスローブの布に擦れるだけでヒリヒリと痛み上手く歩けない。
だからと言ってバスローブを脱ぐわけにも行かないし。
「はぁ…っ、痛…」
ヒリヒリ痛む背中を仰け反らせながら何とか地下から地上へ続く階段を登りきった所なのだ。
椎葉さんのバカ…。
あんな場所であんな体勢で激しくするから擦り剥いちゃったんじゃない…。
でも、あんなに激しく私を求めてくれた。
いつもは"モデルの体に傷をつけるな"とか何とか言ってた癖に、そんな事をも忘れるほどあんなに激しく、熱く…。
私はただの人形のモデルだって言った癖に、あんな…っ。
体を壁に預けながらさっきまでの情事を思い出した。
思い出すだけで体が燻るように熱くなる。
破廉恥な台詞を吐きながらも最後は自分から椎葉さんを求めた。
椎葉さんの唇を…っ。
「………っ!」
歩けないのは、背中が痛いからだけじゃない。
ただでさえシャワーを浴びて熱くなってる体が更に熱くなった。
まるで体内で炎が燃え盛ってるみたいに熱い。