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Dolls…
第19章 泣きながら、あなたを…
安藤さんは私が傷つかないように助言をしてくれただけなのに、私はいじけて安藤さんに酷いことを言ってしまった。
よりにもよって、奈々さんの名前を出してしまった…。
安藤さんと椎葉さんは仲の良い幼馴染みだから、椎葉さんの好きな女性のタイプも知ってる。
私はそのタイプからかけ離れてるんだろう。
もしくは、椎葉さんは人形にしか興味のない人だから告白しても無駄だって事かも知れないし…。
何より椎葉さんの口からハッキリと聞かされてしまった。
私はただの"人形のモデル"だと…。
どっちにしろ安藤さんの話も聞かずに1人でじたばたして…、情けない。
本当、私ってバカだ…。
そんな事を考えてたせいかその日の夢の中には椎葉さんは出て来ず、変わりに安藤さんが出て来た。
夢の中で安藤さんがずっと私の心配をしてくれてた。
私の頭を撫でながら"大丈夫だよ"と、頻りに笑いかけてくれていた。
━━━━━━「ったく、こんな傷だらけになる前に何で俺に言わねぇんだ…」
ん…?
何…?
今、椎葉さんの声が聞こえたような気がしたんだけど…。
寝ぼけ眼になりながらも椎葉さんの声が聞こえたような気がした。
私、寝ぼけてんのかな…?
まだ夢でも見てるのかな…?
眠りが浅いから椎葉さんの幻覚でも見てるのかな…?
寝返りを打とうと体に力を入れた瞬間、背中がヒリヒリと痛んだ。
あー…、まだ痛い…。
よっぽど酷く擦り剥いてるんだろうな…。