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Dolls…
第20章 別れの背中

「安藤さんも気づいてたでしょ?あのゴスロリ風のドレス。あれ全部椎葉さんの趣味ですよ?私はどっちかと言うとシンプルなファッションが好きなんですよ。Tシャツにジーンズとか…」
椎葉さんが私の為にそんなシンプルな服を買ってくれるなんて有り得ないけど。
本当…、私は椎葉さんの着せ替え人形みたいだったな…。
「もうね、あのゴスロリファッションって動きづらいんですよ。無駄にフリフリだし、スカートなんて普段履きませんし」
口にお好み焼きを頬張りながら壊れた蓄音機のように椎葉さんの悪口を連ねた。
安藤さんは何を言うでもなくただ黙って私の話を聞いてくれている。
口にするたびにその時の事を思い出す。
まるで昨日のことのように思い出される。
「最初の出会いなんて最低ですよ。勝手に敷地内に入った私も悪いですけど…、普通スタンガンなんて使います?初対面から暴力的でしたよ」
「まぁ、でも…、初めて椎葉さんの作った人形を見たときは凄すぎて鳥肌が立ちましたけど。だからって、何ですかこの部屋?人形だらけですよ。電気を消して真っ暗にしたら不気味で仕方ないです」
「こんなところに閉じ籠って、人形ばっかり作って…、いつか体にカビや苔でも生えて来るんじゃないですか?そうなると、もう女性に相手にされなくなりますよね~」
椎葉さんの悪口を言いながら頭の中の椎葉さんの記憶を必死に打ち消そうとした。
安藤さんに悲しんでるところを見られたくなくて明るく振る舞った。
安藤さんから顔を反らしながらお好み焼きを頬張り続ける。
食べて喋って、食べて喋っての繰り返しだ。
口を突くのは椎葉さんの悪口ばかり。
椎葉さんが私の為にそんなシンプルな服を買ってくれるなんて有り得ないけど。
本当…、私は椎葉さんの着せ替え人形みたいだったな…。
「もうね、あのゴスロリファッションって動きづらいんですよ。無駄にフリフリだし、スカートなんて普段履きませんし」
口にお好み焼きを頬張りながら壊れた蓄音機のように椎葉さんの悪口を連ねた。
安藤さんは何を言うでもなくただ黙って私の話を聞いてくれている。
口にするたびにその時の事を思い出す。
まるで昨日のことのように思い出される。
「最初の出会いなんて最低ですよ。勝手に敷地内に入った私も悪いですけど…、普通スタンガンなんて使います?初対面から暴力的でしたよ」
「まぁ、でも…、初めて椎葉さんの作った人形を見たときは凄すぎて鳥肌が立ちましたけど。だからって、何ですかこの部屋?人形だらけですよ。電気を消して真っ暗にしたら不気味で仕方ないです」
「こんなところに閉じ籠って、人形ばっかり作って…、いつか体にカビや苔でも生えて来るんじゃないですか?そうなると、もう女性に相手にされなくなりますよね~」
椎葉さんの悪口を言いながら頭の中の椎葉さんの記憶を必死に打ち消そうとした。
安藤さんに悲しんでるところを見られたくなくて明るく振る舞った。
安藤さんから顔を反らしながらお好み焼きを頬張り続ける。
食べて喋って、食べて喋っての繰り返しだ。
口を突くのは椎葉さんの悪口ばかり。

