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Dolls…
第22章 遠い街角
私が好き好んで留守にしたんじゃない。

椎葉さんに監禁されて、どうにもならなかったのだから。

だけど…

椎葉さんのせいだとしても…。


「でも、やっぱり私が…」


「いいんだよ。椿ちゃんは何もしなくて…」















━━━━━━ドキッ!
















一瞬、空気がピリリッと張り詰めた。

そこに流れていた空気が一瞬で変わった。





安藤さんの目が一瞬だけ椎葉さんのように…

いや、椎葉さんよりももっと深く真っ暗な底無しの闇に見えた。






















「あ、あの…っ」

椎葉さんに睨まれた時とは違う恐怖を感じ体が強張った、が

「だって、椿ちゃんがいなくなっちゃって心配した大家さんが警察に連絡してるかも知れないじゃん?」

「え…?」


その闇は一瞬にして消え失せ、そこにはいつもの笑顔の安藤さんがいた。

あれ…?

今、確かに…。


「もしアパートに警察の人がいたらいろいろ聞かれて面倒だし、俺と秋人がこっそり取りに行った方がいいんじゃないかな?」

「あ、あ…、そ、ですね…」



あれ…?

いつもと変わらない安藤さんだ…。

でもさっき、まるで椎葉さんみたいな恐い表情を浮かべた安藤さんが見えたんだけど…、私の気のせいかな?


でも、安藤さんの言うことも一理ある。

例え警察の人が来てて実家に連絡されてたとしても、私の両親にはシュウちゃんが上手く言ってくれてるだろうから心配はない。

だけど、もし警察の人にあれこれ聞かれたら自ずと椎葉さんの事も話さなきゃならなくなる。

そしたら椎葉さんが警察に捕まってしまう。




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