この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Dolls…
第23章 危険な香り
「いや、だから…」
「学費も入学金も自分で」
━━━━━━ドンッ!!
「だから、いいって言ってんだろうっ!!」
ビクッ…っ
突然部屋に響いた大きな音と机に伝わる振動。
目の前に置かれているマグカップの中のコーヒーがピシャッと跳ねた。
安藤さんの握り拳が机を叩いたのだ。
それと同時に穏やかな安藤さんからは想像できない大声が発せられた。
その状況に驚いた私の体がビクンッと跳ね上がった。
「あ、安藤さ…」
な、何…?
私、何か変なこと言った?
安藤さんがこんな大声を出すなんて…。
恐々ながら安藤さんに声をかけると…。
「━━━━━あっ…。ご、ごめん…」
私の声にハッと我に返ったのか安藤さんの声はいつもの穏やかさを取り戻しバツの悪そうな表情を浮かべながら私に謝ってくれた。
「い、いえ…」
"いえ…"なんて答えつつも私の心は内心、少しだけ怯えていた。
安藤さんのあんな怒った顔、初めて見たから。
椎葉さんはいつも怒ってるような表情だったから何も感じなかったけど。
……安藤さんの好意を蔑ろにしようとしたから怒らせちゃったのかな…。
でも、本当に安藤さんにそこまでお世話になる理由なんかない。
自分の夢は自分の力で叶えたい。
なのに、どうして安藤さんはここまで私の事を…?
「あ、あのさ、椿ちゃん…」
「はい」
安藤さんは口許を隠すように頬杖をつき私から顔を反らしている。
が、目は嘘をつかない。
安藤さんの目はキョロキョロと挙動不審な動きをしている。
何かを迷っているような、何かを言おうとして言いづらそうな…。
「学費も入学金も自分で」
━━━━━━ドンッ!!
「だから、いいって言ってんだろうっ!!」
ビクッ…っ
突然部屋に響いた大きな音と机に伝わる振動。
目の前に置かれているマグカップの中のコーヒーがピシャッと跳ねた。
安藤さんの握り拳が机を叩いたのだ。
それと同時に穏やかな安藤さんからは想像できない大声が発せられた。
その状況に驚いた私の体がビクンッと跳ね上がった。
「あ、安藤さ…」
な、何…?
私、何か変なこと言った?
安藤さんがこんな大声を出すなんて…。
恐々ながら安藤さんに声をかけると…。
「━━━━━あっ…。ご、ごめん…」
私の声にハッと我に返ったのか安藤さんの声はいつもの穏やかさを取り戻しバツの悪そうな表情を浮かべながら私に謝ってくれた。
「い、いえ…」
"いえ…"なんて答えつつも私の心は内心、少しだけ怯えていた。
安藤さんのあんな怒った顔、初めて見たから。
椎葉さんはいつも怒ってるような表情だったから何も感じなかったけど。
……安藤さんの好意を蔑ろにしようとしたから怒らせちゃったのかな…。
でも、本当に安藤さんにそこまでお世話になる理由なんかない。
自分の夢は自分の力で叶えたい。
なのに、どうして安藤さんはここまで私の事を…?
「あ、あのさ、椿ちゃん…」
「はい」
安藤さんは口許を隠すように頬杖をつき私から顔を反らしている。
が、目は嘘をつかない。
安藤さんの目はキョロキョロと挙動不審な動きをしている。
何かを迷っているような、何かを言おうとして言いづらそうな…。