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Dolls…
第26章 Dolls…
「私のアパート?」
「だって、美大に入って同じクラスになって、私としては椿は親友だよ!なのに、まだ1度も椿の住むアパートに遊びに行った事ってないんだけどぉー!?」
私を苛めるように不審そうな目で私を睨む茜。
…親友と言われて悪い気はしない。
しないけど…。
「椿も私と一緒で独り暮らしでしょ?何でダメなの?」
「まぁ、いろいろとね」
「……ま、別にそんな面倒臭い事は言わないけど」
私を苛めるような目付きの茜だが、茜のこの意地悪な性格にはもう慣れている。
茜はこういう女の子だ。
その手には引っ掛からないよと言わんばかりにクスクスと笑いながら茜の脇を通り抜ける。
茜の意地悪に反応を返さない私がつまらないのか…、あっさりと引っ込んでしまった。
ごめんね、茜…。
あなたは私の友人。
私も茜の事は大好きだけど、どうしても知られたくない事だってあるの。
知られたくない…、知られるわけにはいかない。
私だけの甘い秘密があるの。
「あ、そうだ。私、あれを描こうかな!ほら、あの山の天辺に小さく見える家。何だっけ…、人形屋敷!」
突如茜が前方の山の方を指差した。
その指の先にあるのは…、例の人形屋敷だ。
「茜、知ってるの?人形屋敷のこと」
「ちょっとだけね。何でも、人形だらけの屋敷なんだって。不気味だよねー。ホラーだよ、ホラー」
「でも、描くんでしょ?」
「描くとするなら遠目から見たアングルで、山の一部として描くかな。さすがに間近で描くのは無理だよ!絵を描くためだけにあんな不気味な屋敷のそばに近付きたくないもん…」
…不気味、か。
確かに、こうやって遠目で見たら、あの人形屋敷もちょっと不気味かもね。
「だって、美大に入って同じクラスになって、私としては椿は親友だよ!なのに、まだ1度も椿の住むアパートに遊びに行った事ってないんだけどぉー!?」
私を苛めるように不審そうな目で私を睨む茜。
…親友と言われて悪い気はしない。
しないけど…。
「椿も私と一緒で独り暮らしでしょ?何でダメなの?」
「まぁ、いろいろとね」
「……ま、別にそんな面倒臭い事は言わないけど」
私を苛めるような目付きの茜だが、茜のこの意地悪な性格にはもう慣れている。
茜はこういう女の子だ。
その手には引っ掛からないよと言わんばかりにクスクスと笑いながら茜の脇を通り抜ける。
茜の意地悪に反応を返さない私がつまらないのか…、あっさりと引っ込んでしまった。
ごめんね、茜…。
あなたは私の友人。
私も茜の事は大好きだけど、どうしても知られたくない事だってあるの。
知られたくない…、知られるわけにはいかない。
私だけの甘い秘密があるの。
「あ、そうだ。私、あれを描こうかな!ほら、あの山の天辺に小さく見える家。何だっけ…、人形屋敷!」
突如茜が前方の山の方を指差した。
その指の先にあるのは…、例の人形屋敷だ。
「茜、知ってるの?人形屋敷のこと」
「ちょっとだけね。何でも、人形だらけの屋敷なんだって。不気味だよねー。ホラーだよ、ホラー」
「でも、描くんでしょ?」
「描くとするなら遠目から見たアングルで、山の一部として描くかな。さすがに間近で描くのは無理だよ!絵を描くためだけにあんな不気味な屋敷のそばに近付きたくないもん…」
…不気味、か。
確かに、こうやって遠目で見たら、あの人形屋敷もちょっと不気味かもね。