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Dolls…
第6章 甘い嫉妬
布団から顔を出すと、窓から差し込む日の光がやけに眩しく感じる。

…もう、何日ここにいるんだろう。

仕事も何日も無断欠勤しちゃったし、完全にクビだろうな。


ベッドの脇にある棚の上には、カットされたフルーツの盛り合わせ。

綺麗なお皿に盛られてラップされてある。


……多分だけど、熱はもう下がってる。

昨日に比べたら気分もいいし意識だってハッキリしてる。


静かな人形の部屋で1人っ切り。

ベッドに寝転びながら天井のシャンデリアを見上げた。


大きなシャンデリア…。

この家にある装飾品全て、どれを取っても高級品だ。

椎葉さん、こんな大きな屋敷でいつも1人なのかな…?

独り暮らしなんだからここまで贅沢しなくてもいいのに。

部屋だって無駄に多いし、広いし…。



と、そこまで考えてハッと気づいた━━━━━━。










そうだ。

今なら逃げられる…っ。






ガバッと布団から起き上がると、まだ微熱が残ってる体が悲鳴を上げた。

「あ…っ、痛…」

頭と関節がまだ少し痛む。

だけど、このチャンスを逃したら次のチャンスはもう巡って来ないかも知れない。


もちろん、今この場に椎葉さんがいないだけで、この屋敷のどこかにいるかも知れないけど…。

それでも、このチャンスを逃す事はない。

ベッドからゆっくりと床に下りた。


ここに来たときに履いてた靴は椎葉さんに取られちゃって、今は裸足だけど、そんな事構ってられない。

額に貼られた冷却シートを剥がし、椎葉さんが着せてくれたパジャマのまま私は脱走を決意した。









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