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Dolls…
第6章 甘い嫉妬

渡り廊下のようなその場所の角から身を隠すようにその声の主を探すと

玄関ホールに誰かいる。

見つからないように、ギリギリまで身を乗り出して見てみると




そこにいたのは、椎葉さんと見慣れぬ女性。




その女性は、綺麗な茶髪の巻き髪で、スラリと背も高くて細身で、こんな遠目からでもわかるくらいの綺麗な女性。

その綺麗さに思わず息を飲んでしまいそうになった。

まるで、本当に人形が生きてるのかと思うぐらいの美しさだ。

年齢は20代半ばぐらいかな?





……綺麗な人。

芸能人みたい…。

あの人は一体…。




その傍らには、椎葉さんの姿が。

あんな綺麗な人と何をしてるんだろうか…?





「ねぇ、お願い…、秋人っ!私、あなたの事が忘れられないの…っ!どうしても忘れられないのっ!!」





……………えっ?

聞こえて来たのは、今にも泣き出しそうな女性の叫び声。


な、何…っ!?

何よ、この会話…っ!


「しつこい。何度も言うが、もうお前には何の興味も湧かない」


それに反するように、椎葉さんの冷たい声が聞こえる。

広い玄関ホールだけに声が響いて、聞きたくなくても聞こえて来てしまう。

これじゃ、盗み聞きだ。



「お願いよっ!私、あなたの為なら何だってするわっ!だから、もう1度昔みたいに…」



"もう1度昔みたいに…"?

あの人は、椎葉さんの昔の恋人…?



「あなたの為だったら、どんな事にだって耐えられるっ!」


聞いてるだけでこちらが赤面してしまいそうな台詞が玄関ホールに響き渡る。

随分、情熱的な女性だな…。






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