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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第6章  【四】
「これは思わぬ拾い物をしたものよ。こちらから動かずとも、向こうから動いてくれたとはのう。まさに余計な手間をかけずに、邪魔者が始末できる」
 春瑶院は派手に化粧した面を歪め、ほくそ笑んだ。
 早速、腹心の侍女歌山に命じて下屋敷の人間すべてを改めさせたところ、曲者はすぐに見つかった。
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