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第5章 璃子の愛

こんな夕君を見たのは、約束の話をした日以来……。


約束の事を覚えていないと話した私に対して悲しんだ夕君と重ねてしまう。



だからなのか、……夕君からの気持ちがひしひしと強く伝わってきて……苦しい。





どうして私なんかを愛してくれるんだろう。





こんなに……私なんかを。







「ちが……」






違うと言いたかった。

龍太郎の事は好きではないと。





しかし璃子は途中まで言いかけて、言葉を詰まらせてしまう。





何故なのか、それは夕もよく知っていた。







「俺のモノにならないんだったら……無理やり俺のモノにだって出来るよ？ 璃子」

「……どういう意味？」






耳元で囁かれ、不思議になった。


……何か嫌な予感がする。





その予感は、






「璃子を妊娠させたりとか」






……的中した。