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私の逆ハー性活
第2章 翔の愛
夜が明け、自分の部屋のベッドの上で目を覚ますと、璃子は重たい足でベッドから降り、壁に掛けてあるカレンダーの前に黒マジックを持って立つと、今日の日付を円で囲んだ。
8月2日。この家に連れて来られてから、今日でもう一カ月と一日。
……どうして誰も助けてくれないの?
そう思うのに、涙は昨日流し過ぎて流れない。
込み上げてくる感情も、恐怖だけ。
……今日の世話係は翔さんだ。
璃子は部屋のドアが開く音に気づきながら、ドアに背を向けていた。
振り返ったのは、挨拶されてから。
「おはよう、璃子ちゃん。ご飯だよ」
「……おはようございます」
柔かに微笑んでいる翔に向かい、ボソッと呟く。
あの笑顔ももう見慣れてしまっていた。
「今日のお世話は俺が当番だから。俺の部屋に行こうか?」
璃子はそう軽く首を傾げながら言う翔に、従って部屋を出るしかなかった。