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私の逆ハー性活
第3章 夕の愛
珍しく今朝、夢を見た。
懐かしいような、微笑ましいような、子供の頃の夢を。
『璃子ね、将来三人のお嫁さんになるんだ!』
『え〜? 璃子ちゃん、それは無理だよ。三人全員とは結婚出来ないから、一人選ばないと』
『そうなの?』
昔暮らしていたアパートの部屋。
そこで一人の男の子とある約束を交わした。
『じゃあ、こうしない? 俺が璃子ちゃんの事を振り向かせてみせるから、その時は俺のお嫁さんになってよ?』
『良いけど。振り向かせてみせる……? って……?』
『俺の事を好きにさせるって事だよ』
『……?』
穏やかな笑顔を見せる男の子の言葉に不思議になりながらも、
『好きだよ……?』
そうケロリと話すと、そんな私に対して男の子はクスッと笑った。
そして、
『多分……璃子ちゃんの言ってる好きとは違うかな。俺が言ってるのは、……』
“愛してるって意味”と続けると、そのまま薬指を差し出して、私の薬指に絡ませた。
『今の、約束だよ。絶対忘れないでね?』
『……う、うん。分かった』
……あの男の子は、もしかしたら……。
目を覚まし、すぐにトントンとドアのノック音が聞こえてくると、璃子はぼんやりと夢の事を考えながらドアの方へ視線を向けた。