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第8章 もっと狂おしく

麻由美がソーッと顔をあげて僅かばかり見えるほどで旦那の方を見た。

「ヘ～ッ、あれが浮気相手の女なんだ」

ショックのショの字も見せずに麻由美が言う。

それを聞いて本当にもう愛情がないんだな思った。

旦那の浮気相手は麻由美と全体的な雰囲気が似ている。

きっとこういう女性がタイプなのだろう。年齢は麻由美よりずっと若い。

長い黒髪とくびれた腰からのスリムなデニムのラインがセクシーで、夜の世界に生きていることを容易に想像させる。

赤い軽自動車の運転席のドアを旦那が開けてエスコートするとその女が中に乗り込んだ。

そして閉められるドア。