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脱出小説
第1章 あとがき(ネタバレあり)
犯人はヤス。
こんにちは皆様。
いかがお過ごしでしょうか。
なんだよテメエわ、執筆はオヤスミじゃなかったんか、あとがきで嘘ばっかついてんじゃねーコラ張り倒すぞとかなんとか罵詈雑言の嵐が予想されてなかなか素敵な感じですけど。
いや、嘘だけじゃなくて本当の事や大事な事もちゃんと書いてますってば、あとがきで。ううう。
大丈夫。そんなの誰も読んでないから。
そう。あとがきなんぞ誰も読まない。
そう思っていた時期が僕にもありました。
ところがどうした事でしょう。
いつ頃から、世の小説はあとがきだらけ。
猫も杓子もあとがきを書きやがる。
いやゴメンなさい。お書きになる。
これ、昨日今日始まった事じゃないですからね。
いつしか、世の中はあとがきなる蛇足を物語に容認するようになった。
容認どころか強要している感すらある。
「じゃあそのあとがきって奴ぁよっぽどイイモンなのかい八っつぁん」
「ご隠居、イイモンですよ。アタシなんかはあとがきしか読まねえ」
「それじゃ話がわかんねえじゃねぇか」
「いや、最近のはネタバレっつってね。あとがきに全部書いてあるんで」
なんて、本末転倒も起こっていたりして。
いや、笑いごとじゃないですよ。
ホントに世の中そんな感じですもん。
私なんかも気になる本があったら速攻でネットのネタバレレビュー読みに行きますから。お金かかんないわ時間かかんないわで最高です。ひと夏で千冊読破超余裕←
恐いですね、業界真っ青なヨカーン。
業界だけじゃなくて作者にとっても最近の読者は恐い。
「あとがき毎回楽しみにしてます!」所じゃないですからね。
「あとがきしか読んでません」とか「しおりはあとがきにしか挟んだことがありません」とか「今回は珍しく本編から読んでみた」とか、平気でそんな感想が送られてくるわけです。
これマジで。実話です。
冗談じゃない。どうしてこうなった。
実体験に基づくノンフィクションだから間違いない。
本当にあったお話。
真実のトゥルー・ストーリー。感動の物語。涙出る。
「世も末だ」とか「最近の若い奴は」なんて、言われるうちはウゼーと思っていればいいんですけど、言う立場となるとコレがまた、ああこういう気持ちだったのかなんてことがわかってしみじみしたりしちゃいます。