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二人の距離は350m
第9章 【伊丹 side】
「はじめまして、里村貴美です」

ホテルのラウンジで初めて会った彼女は、35才と聞いていたがもう少し落ち着いて見えた。
それでも僕には勿体ないくらい綺麗な女性で、一体僕なんかのどこを気に入ってくれたのか不思議だ。

「私、伊丹さんみたいに可愛らしい男性が好きなんです」

「か、可愛い、ですか?僕が?」

女の人の考えることは全くもって理解不能である。



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