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第3章 目崎家の食卓

しかし、そんな露葉の複雑な気持ちも知らず、

「確かに大勢の前で話す授業は苦手だけど、大学で学んだことが活かせるからね」

「先生、お茶いかが？」

「あ、すみません。いただきます」

伊丹はすぐに紅葉に向き直ってしまう。


(なによ、先生ってば『困ります』とか言ってたくせにお母さんにデレデレして！そりゃあ、よそのお母さんより若くて綺麗なのは認めるけどさ)

紅葉は17で露葉を出産したため まだ35という若さで、29才の伊丹とは露葉よりも年が近い。


(あー、もー、何なの？このムカムカは!?)