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第5章 関係

(あれ…？)

廊下を歩きながら薄々感じていた違和感が、席に着いて更に強まる。
いつもは透明人間のように見向きもされない露葉に、クラスメイトの視線が集中しているのだ。

居心地の悪さに１時限目の化学の教科書を開いて読むふりを始めた露葉の足元に、消しゴムがコロコロと転がってきた。

そして、
「おっと落としちまったぜ」
わざとらしく呟いた隣の席の男子が消しゴムを拾いながら俯いた露葉の顔を覗き込み、そのまま動きを止める。