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タンバリンでできたオーロラ
第1章 ごムぞうり
「いいか、世の中にはルールがある」
コーヒーをひと口啜りながら男は言いました。
ゴム象にも一杯どうだ、とかそう言う気はまったくなさそうでした。
もっとも、勧められたとして、ゴム象の鼻はゴムでできていて吸い上げることはできないのですが。
そもそも、熱いのでゴム象はホットは嫌いです。大阪風の「冷コー」がいいです。ゴム象は修学旅行で飲んだあの味を懐かしく思い出しました。
それで、ああそうだ、ルールの話でしたね。
ゴムゾ売りの男が言いました。
「正直者には金の斧と銀の斧を上げなければならん」
それがルールだからです。
「だが、俺は斧なんか持っていない」
そう聞いてゴム象はホットしました。(かけてあります)
ぶっちゃけ、金の斧と銀の斧は家に山ほどあったからです。
例の彼女もカップ数は教えてくれませんでしたが、斧はくれましたし。
正直すぎるのも考え物ですね。
「そこで代わりにこういうのはどうだい?」
男はカウンタープロポーサルを示しました。
カウンタープロポーサルとは対案という意味です。
男はビジネスマンですから、それっぽく見せるために書いている人に調べさせたのです。