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タンバリンでできたオーロラ
第1章 ごムぞうり
すいません。
ちょっと休憩している間に前のページに何を書いていたか忘れたので、うろ憶えで続けます。
確か、ゴムゾ売りとゴム象がなにかお喋りをしていました。
それぐらいは憶えています。えっへん。
「それで」
ゴムゾ売りの男が言葉を継ぎました。あからさまに時間稼ぎです。
「そうだな、おっと、コーヒーをキッチンに置き忘れてきてしまった」
ゴムゾ売りの男は淹れたてのインスタントコーヒーを取りに戻りました。
彼はコーヒーが好きなのです。
インスタントのが好きです。通というわけではなくて、ただ単に面倒くさくてレギュラーのは淹れる気にならないのです。
ですからスーパーで買う時は間違えて買ってしまわないよう、パッケージをよく見るようにしています。
それでもたまに間違えて買ってしまい、そんなときは「なんとかなるだろう」と、レギュラーコーヒーにそのままお湯をかけて飲むこともあります。
一度やって凝りましたが。
そうして、ゴムゾ売りの男は湯気を立てているカップを手に戻って来ました。