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タンバリンでできたオーロラ
第9章 魔砲兵姫ニミット
「ウギャアアア!」
「魔砲兵姫だっ! 魔砲兵姫で応戦しろっ!」
混乱の中で副官が喚くが、所詮はザナルの強大な力によって統率されていた集団である。首領を失ったことによる衝撃はその力が強大であるほど大きい。たちまちのうちに烏合の衆の無残な敗走となる。
「グ……お、おのれ……ニミット姫よ……」
「ザナル様、ご無事で?」
無事ではなかった。副官に助け起されたザナルの巨体は、その半分を魔砲のエネルギーに削り取られ、焼け焦げた重症を負っていた。
「引け……いったん引くのだ。だが、これでは済まさんぞ……必ずやキサマにこれ以上の屈辱を与えてやる……憶えておけニミット・エルフィーンよ」
ザナルの双眸に凶悪な復讐の炎が燃え盛っていた。