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タンバリンでできたオーロラ
第9章 魔砲兵姫ニミット
「私もこうして協力する必要もありません。しかし、もし精霊の求めに応じず無視すれば、やがて力は消え去ってしまうでしょう。そうなれば……」

 ザナルを追撃して敵を討つなど夢物語となってしまう。ニミットの顔から血の気が引いた。

「それは駄目……そうなることだけは……」

「ですから、こうしております。姫よ、お委ね下さい……全てはランスラントの未来を守るため……」

「お、おお……」

 マヌガンの抱擁から逃れようとしていたニミットの腕から力が抜けた。

 後ろ髪を梳くようにして、白いうなじにマヌガンの手がかけられる。耳元に熱を感じて振り向くと、マヌガンの顔が間近にあった。

(あ……)

 吸い込まれそうなその暗く落ち着いた眼差しに、思わず目を奪われ、ニミットは顔を赤らめる。

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