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タンバリンでできたオーロラ
第10章 芋づるデカ
現場ではすでに鑑識の連中が忙しく立ち働いていた。
「あの、アレですよね……」
「どうした?」
「日本の警察って黄色いテープ、使わないんですよね」
「黄色いテープ?」
「ホラ、アメリカの映画とかであるじゃないですかKEEP OUTって書いてある立ち入り禁止の……」
ああ、アレか。
「そうだな。ここは日本だからな」
「俺、アレに憧れて警官になったんスよねー」
「憧れは大切だな」
「ですよねー!」
ピアノは嬉しそうにメモを取る。
ん? なんかメモ取るような会話だったか?
俺はピアノの手帳を覗き込んだ。
ここは日本。
そう書いてあった。
まあ、そういうことも大事な情報だ。
うっかり見落とすこともあるからな。