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タンバリンでできたオーロラ
第10章 芋づるデカ

 なんとか目的の、かきあげの美味い天麩羅屋に到着すると、俺たちはのれんをくぐって店内に入った。

 小さいがさっぱりとした店構えが気に入ってる。

 吊り棚に載せられたTVではお昼のニュースが流れていた。

「オバちゃん、お水!」
「はい只今ー!」

「オバちゃん、お水!」
「はい只今ー!」

「オバちゃん、お水!」
「はい只今ー!」

「オバちゃん、お水!」
「はい只今ー!」

「オバちゃん、お水!」
「はい只今ー!」

「オバちゃん、お水!」
「いい加減にしねえかコノヤロウ!」

 ピアノを怒鳴りつける。
 そこへお冷を持って女性店員がやって来る。

「ごめんなさいね~、オバちゃんグズで」
「いや、コイツが忘れっぽいだけですから」
「ハハッ!」

 ピアノは平気な顔してやがる。
 オバちゃんも、奴の爽やかな笑顔にポーッとしちまって、やれやれ。
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