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タンバリンでできたオーロラ
第10章 芋づるデカ
「こいつは分が悪いかもしれねぇ……」
「どうしたんすか?」
ピアノは何も考えてないような朗らかな顔で尋ねる。
多分ホントに何も考えてないんだろうな。
チッ……若い奴は……。
「アレだよ、アリバイだ」
「何のですか?」
「事件のに決まってるだろ」
「事件って何ですか?」
「今行ってきた現場のだよ!」
「ええっ!」
「そこじゃねえ!」
かきあげ屋を振り返るピアノの後ろ頭にチョップする。
「そこは今、昼メシを喰った店だよ、現場じゃねえ!」
「マジっすか!?」
「マジっす……」
相手にしてらんねえ。
俺は仏頂面のまま、ハイライトを咥えてライターで火をつけた。