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タンバリンでできたオーロラ
第15章 触手伯爵と美貌の四銃士
(カテリナ隊長の指先が私に触れて……)
ぼうっとしそうになって絡み付く視線に気が付く。ナルシャのそんな様子をカンターロがニヤニヤとした薄ら笑いを浮かべながら眺めていた。
(こいつ……まさか、今の様子を見て何か勘ぐっているのか!?)
背筋に悪寒が走る。
カテリナに対する尊敬の念を越えたほの暗い情念。
ナルシャはその感情を誰からも隠してきた。
それをよりによってこの醜悪な男に感づかれたのではないか。考えただけでも身震いがする。
「……ナルシャ、聞いているのか?」
少し心配した表情のカテリナがナルシャを覗き込んでいた。
「あっはいっ! すいません!」
「問題が起きた。相談したいことがある。二人だけで話したい、私の部屋まで来てくれ」
「今から、ですか?」
「ああ、すぐにだ。ついてきてくれ」
カンターロの始末を入口で見張りをしていた銃士隊の部下に指示し、自室へと向い始めるカテリナに、ナルシャは慌てて従う。
「ところで本当に様子がおかしいぞ……あとで医者に見てもらったどうだ」
「いえっ! 本当になんでもありませんから……」
遠ざかる二人の話声に置き去りにされながら、引き立てられるカンターロはしかし、悦しげに上唇を舐めるのだった。
《触手伯爵と美貌の四銃士 カンターロがキモすぎるので没》