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タンバリンでできたオーロラ
第15章 触手伯爵と美貌の四銃士
らしくないことだった。
冷静沈着な自分がここまで我を忘れて怒りを露わにするなどナルシャにとっても初めての体験だった。
それほどにカンターロの態度は感に触った。怒りを抑えるにはこいつはあまりに下品で珍妙で卑小だった。
こいつに対して客観的傍観的であり続けるのは難しい……
「そこまでだ、ナルシャ!」
カテリナの言葉でナルシャは我に返った。尋問室の扉が開けられるのにも気が付かなかったらしい。
「たっ、隊長……」
「どうしたというのだ、お前らしくもない」
「も、申し訳ありません」
カテリナには先ほどの会話は聞こえなかったらしい。ナルシャは少し安堵する。
そこへ不意にカテリナが手を伸ばした。
「なんだ? 顔が赤いぞ……大丈夫か?」
カテリナの指の腹がヒヤリと冷たくナルシャの頬を走る。
「いっ、いえ……」
「どうした増々赤くなってきていないか?」
「大丈夫ですからっ! 平気です! きっ気になさらないでください!」
精一杯とりつくろって平静を装う。
(あ……)
ナルシャは気づいていた。
(私……もっと濡れて……)
はっきりと秘裂の中が潤んでいるのがわかった。そして今度はその理由を否定することはできなかった。