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第16章 ナガラ探し

「ナガラ探しに出かけよう！」

　夢いっぱいという風情でタケ坊が言った。

　タケ坊はいつだって夢いっぱいだ。
　私はそんなタケ坊が好き。見てるのが好き。

　いつも面白い事を言いだすから好き。

「ひとつなぎの財宝？」

　私が尋ねる。

「じゃあ僕、ウソップがいい！」と、しゅんちゃん。

　あっ、ウソップは私がやりたかったのにー＞＜

　しゅんちゃんは抜け目がない。
　私はいつも先を越されてしまう。

　ウソップとられちゃった。
　じゃあ、チョッパー……。

　どうせタケ坊はルフィかゾロなんだから、慌てる必要はなかったのだけれど、私は負けじと自分の配役を主張しようとした。

　だけど、口にする前にタケ坊が大きな声を張り上げる。

「ばーっか、違うよ、それワンピースだろ！」
「えー？　違うの？」
「宝探しでしょ？」

　私たち三人は仲良し兄妹。
　異議の唱え方も息が合っている。