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タンバリンでできたオーロラ
第16章 ナガラ探し
「これがナガラの島だ!」
そう叫んで、床の上の洗面オケをひっくり返してお風呂に浮かべる。
「ああっ!」
「うおおっ!」
「どうだ! 誰も見つけられなかったというナガラ島、それにはこういうワケがあったのだ!」
ホントだよ、こんなの誰も見つけられるはずがない!
タケ坊、凄い!
「すげえ……」
しゅんちゃんも、私たちの眼の前に姿を現したナガラ島の異様に見とれている。
それは確かに、ナイアガラの滝に突如出現した謎の巨大な島だった。
いかにも何か隠してありそうな。
中の空洞部分があやしそうだ。見つけてしまえば、誰にだってそう思える。
「お兄ちゃん、すごい、すごーい!」
船長と呼ぶことすら、うっかり忘れて私はタケ坊を絶賛した。
しゅんちゃんすら、尊敬のまなざしで見つめている。
「どうだ……驚いたか」
タケ坊はまんざらでもなさそうだ。
やってよかった、この遊び、そんな事を想っているかもしれない。
明日もやろうとか考えるかもしれない。