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タンバリンでできたオーロラ
第3章 キリングス・オブ・キングス3 ~凌辱のカードバトル~

五月祭(ゴガツサイ)というエキゾチックな響きの姓はとてもマネイロ(カッコイイ)だと日本のアニメ好きのクラスメイト達には評判であったが、ステラ自身の容貌は日系と言われなければそれとわからないものだった。褐色の肌、青い瞳、学生らしく後ろで一度束ねたブロンドの髪。移民や先住民の血が混ざり合ったメスチーソの、一種独特の美しさ。東洋の血筋を感じさせるのは、大人びた童顔とでもいうべき、その柔和な顔の造作ぐらいのものだろうか。
遠く、ボタフォゴ湾を赤く染めて夕日が沈んでいこうとしている。ヘリコプターの中に射し込むそのきつい光線にもかまわず、ステラは鞄の中から取り出したスマートフォン大のタブレットを操作していた。

