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タンバリンでできたオーロラ
第3章 キリングス・オブ・キングス3 ~凌辱のカードバトル~

ステラの手の中で光を発するそれは、スマートフォンではない。いや、それは現代に開発された機器ですらない。家族旅行で訪れたアマゾンの地で占いの老婆から託された古代の石板。
――それはホワイト・アンティと呼ばれるものじゃ。大いなる錬金術師たちの戦いの協約に基づきし英知の石板じゃ!
まだ幼かったステラによたよたと駆け寄って抱きついた老婆は、まるで彼女が聖女マリアであるかのように恭しく、そして興奮した口調で叫んだものだ。
渡された石板をきょとんとして眺める幼いステラにおかまいなしに、予言の伝道者の如く、伝えるべきことをそのしわくちゃの口から次々と吐き出す。
――血から血ではなく、宿命から宿命へと受け継がれる能力!
――知れ! 汝の生まれた星を! 幾万の国が潰えたとて、変わらぬ幾万の星々の運行を!
――地、見上げることなかれ! 天、見下ろすことなかれ! 汝、星の宿命と共にあり!
老女の狂態に気づいた両親が、慌ててステラをその場から引き離す。だが、そのときにはもうステラは知っていた。自分に備わっていた星の動きを識る力を。内なる占星術の体系を。

