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タンバリンでできたオーロラ
第1章 ごムぞうり

 ゴム象はゴム子が一人きりになるのをずっと待っていた。
 なかなかそのチャンスがなかったからだ。

 あのいやらしい体。

 清純そうで、汚れを知らないに違いない無垢なボディ。
 だからいやらしい。

 バオーンと踏み潰してやりたくなる。
 吸い上げた泥水で水浴びさせてやりたくなる。

 そんな欲望がむらむらムクムクわき上がる。

 群れの中でも一番の美人。
 あ。ゴム象は男で、ゴム子は女だ。

 そしてゴム子は一番の美人だという意味で書いている。

 ゴム象のほうはどうかと言うと、非常に微妙な地位だと言わざるを得ない。何故なら、彼はゴムで出来ているからだ。

 さっき水浴びをさせてやりたいと言ったけれど、オイラのゴムの鼻じゃあかなわぬ夢だ。

 だって水を吸い上げることができないのだから。
 ゴムだから。

 しかし他のことならできるだろう。
 だからゴム子がひとりきりになるのを待っていた。

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