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タンバリンでできたオーロラ
第1章 ごムぞうり
ライバルは海老蔵だ。
群れ一番のプレイボーイだ。すごくイカしてる。群れの女たちを。
水浴びの時とか凄いことになってる。
そんな海老蔵たちをゴム象は遠くから鼻を咥えて見つめるだけ。
「お前もどうだい? そんな所にいないでいっしょに浴びろよ」
海老蔵が声をかける。
もちろん、ゴム象にじゃない。そばで仲間に入りたそうにしている女の子にだ。
誰もゴム象を誘ってくれたりしないのだ。
それに、ゴム象だって、海老蔵に誘われたくなんかない。
女の子に誘ってもらいたい。
海老蔵は男だ。プレイボーイは男と決まっている。
女のプレイボーイなんかいない。
ところがいるんだな、これが。
それがゴム象の人生を変える出逢いだった。