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タンバリンでできたオーロラ
第22章 光の戦士サーラと闇の魔掌
松明の明かりを頼りに、地下道を下ること数時間。やがて出し抜けに、ぽっかりと開いた広大な空間へと辿り着いた。それは巨大な地下神殿だった。
中央のピラミッド状の巨大な本殿を取り囲んで、数多の石造建築が入り組んでいる。
そこかしこに点在する背の高い石造りの祭壇では燃え盛る篝火がたかれて、炎の光に照らし出された神殿の古びた石壁には林立する柱や巨像が黒々と影を落として重苦しいコントラストを生み出している。
荘厳な、という言葉が似つかわしい神秘的な光景だった。忘れ去られた古代の神々の棲まう場所とでも云えようか。
だが、今ここを根城としているのは神ではない。
――キキ、キキキ……
闇の中に不気味なざわめき。やがて赤々と光る眼光が浮かび上がり数を増してゆく。
「……来たわね」
サーラは松明を足もとに投げ捨てた。
腰に下げた大剣を鞘から抜き払うのと同時に闇の中から背の低い地鬼の群れが飛びかかって来た。